育つブドウ、作るワイン、飲む私たち(ワイン、井上)

育つブドウ、作るワイン、飲む私たち(ワイン、井上)


世界的なコロナ禍の中にあっても気候他条件が適えばブドウは育ちます。しかし、それをワインに変えるには人が関与するので、当然コロナの今日には人がらみの影響を受けます。

シャンパーニュでは消費減を見込んで生産量を調整、プーリアでは余剰分を消毒用アルコールに転用など生産量の調整もある中、収穫時の人手不足(入国制限による)、輸送コンテナと港湾事情、フライト減便など生産流通に亘って影響がでています。今のところ日本においては、輸入ワインの供給に大きな変化はありませんが、今後何らかの影響がでる可能性があります。

ワインが健全に存在していくには、生産者、流通関係者、消費者の3点で回っていく必要があります。もちろん飲み手の皆さんには沢山飲んでいただけるに越したことはありませんが、ワインを飲むときにこのワインサイクルに思いを巡らせていただけば生産者だけでなく流通側として幸いです。

イノワイン新アイテムであるサンタムールの生産者であるボジョレーワイン委員会のドミニク・ピロン氏からのメッセージが届きましたので、最後にご紹介いたします。あくまでボージョレー地区を例としたメッセージではありますが、当然他のワイン生産地にも共通する点があるでしょう。

「私たちは、あらゆる観点から特異な年を過ごしています。田舎で土を相手に仕事をすることで、幸いにも地に足がつき、良識が保たれていますが、将来は贅沢なこととされるかもしれません。現在の状況で見る限り、私たちはボジョレーにおける偉大なミレジムの年を迎えようとしているように思われます。ガメイ種は今年もまた、気候変動への高い順応性を見せてくれました。それは安心材料であるし、将来に対してのプラスポイントです。世界経済が不確定要素に支配され完全に混乱している現在において、ボジョレーが発展し続けていけるよう、私たちは最大限の努力を払う所存です。ここ2年の実績が、私たちが正しい方向に向かっていることを示してくれています」。
ボジョレーワイン委員会会長 ドミニク・ピロンDominique Piron



未成年者(20歳未満)の飲酒は法律で禁じられています。